トピックスTOPICS

2024年 社長年頭挨拶

2024年01月08日

2024年1月8日

 皆さん、ご安全に。新年あけましておめでとうございます。
それぞれに、健やかに新しい年を迎えられたことと存じます。年頭にあたり、当社の取組みについて私の考えを述べ、その実行を皆さんとともに決意したいと思います。
 
 昨年は、3年間に及んだコロナ禍も5月より感染症法上の位置づけが5類相当の扱いとなり、季節性インフルエンザと同等になりました。実質的に収束を迎えたということです。世界的にも、中国のゼロコロナ政策は解除され、各国の経済活動も徐々に回復してきました。とりわけ課題の大きかった半導体の供給制約も一服し、大きな影響を受けた自動車業界の生産活動も回復傾向にあります。ホンダ殿の国内完成車生産台数も4年ぶりに70万台を超える水準となり、特に下期はフル生産を計画しています(1月確定計画:通期75万台、うち下期:43万台)。
 こうした環境面での改善に支えられつつ、当社が取り組んできた非ホンダ圏での拡販、価格をはじめとした取引条件の改善そして地道なコストダウンの推進等が大きな成果となって現れ、23年度ローリング計画では経常利益が昨年度の2倍超(13億円レベル)に大幅増となる見込みです。これは決して成り行きの結果ではなく、「国内事業において外部環境に左右されない強固な収益体質を築く」という目標に向かって皆さん一人ひとりが懸命に努力されたことの賜物であり、心から敬意を表するとともに感謝いたします。
 他方、残念なことは「安全」と「品質」に関して、今年度も既に目標が達成できない状況にあるということです。どうしたら掛け声だけでなく、実際に目標を達成することができるのかを引き続き真剣に考えていかねばなりません。現在、工場内にカメラを設置し、作業内容や動線の確認を通じた見守りを進めています。事故が発生した場合には、当事者の記憶に加えて画像でも確認することができます。こうした動画の活用は以前とはくらべものにならないくらい安価で手軽にできるようになりました。安全だけでなく、品質においても作業手順を動画で示す等、様々なことに積極的に広げていってもらいたいと思います。正に百聞は一見に如かずであり、動画は作業者に加えて関係者の理解を大いに助けるツールとなります。
 
 さて、私たちは3年間のコロナ禍を通して、コミュニケーションの大切さをあらためて知ることとなりました。密な状況を回避するため、人と人との繋がりを分断するよう会社側からお願いせざるを得ませんでした。最初は違和感を持ちつつも、時間の経過とともに当たり前となり、ともすると他人との関わりが希薄になることを楽に感じることもあったのではないでしょうか。そして、いざ規制が解除されても3年間のブランクによって、以前のような活動に戻れないあるいは忘れてしまっているということになっていませんか。
 しかし、大切なことなので何度も言いますが、私たちの仕事は一人で完結することはできません。重要なのはチームワークです。チームで力を合わせることによって、一人ではなし得ない大きな成果をあげることができるのです。
 そのためにも、日頃から周囲の仲間に興味を持ち、お互いに助け合えるチームをつくっていきましょう。ここでも、コミュニケーションが重要な役割を果たします。自分の状況、思い、考えを言葉にして口に出しましょう。そうした仲間の言葉を真摯に受け止め、自分ができることで助けてあげましょう。こうしたことの積み重ねがお互いの信頼関係をつくり、結果として強くしなやかなチームができるのです。
 
 また、昨年は長期化するロシアのウクライナ侵攻や米中対立が深まるなかで、各国の経済活動が回復してきたことにより、広範囲にわたる大幅な物価高騰と賃金の上昇を経験しました。いずれも、日本では長らく忘れられてきた事象です。少子高齢化の進展、資源を輸入に頼る構造、脱炭素化に向けた投資負担の増大といったことを考えると、今後も諸物価の高止まりや人手不足による賃金上昇等の処遇改善は継続されると考えざるを得ません。
 こうしたなか、当社の大きな課題の一つが社員の採用です。これまでも様々な方法で取り組んでいますが、大変厳しい状況であるのが実情です。特定の部署が担当するということでは全く対処できません。就活サイト、学校、ハローワーク等への求人情報登録や会社説明会の開催等を行っていますが、当社を志望してくれる人が極めて少ないのです。そこで皆さんにお願いしたいことは、全社員総動員で採用活動を行うということです。採用人数の目安等、詳細は別途文書で依頼します。例えば、各自が母校に足を運び、先生や後輩に当社のことを自らの言葉でPRしてもらいたいと思います。求人情報等の記述では表現しきれない当社の魅力を自らの経験をまじえて紹介してもらうことで、当社をより深く知ってもらえると思います。ここでもコミュニケーションが重要な役割を果たします。
 また、当社は昨年5月にホームページを刷新しました。総務部が中心となって各事業所にも協力してもらい、すばらしい内容となっています。動画やイラストを駆使して、当社がどのような会社なのかわかりやすく紹介しています。ホームページの内容は、必要に応じて自分たちで修正や更新をすることができる仕組みにもなっています。今回特に注力した採用情報の項目では、当社の求める人材像や先輩社員からのメッセージが掲載されており、将来の仲間に対して熱い思いを伝えてくれています。皆さんも是非ご一読いただき、自分が入社した当時のことを振り返って初心を思い出してみてください。
 
 当社は今年75年目を迎えます。正確には、25年3月で75周年となります。皆さんはご存じですか。当社には、こうした長い歴史があり、先輩方から脈々と受け継いできた伝統があります。是非、自分の会社のことをより深く知ってもらい、そして、仲間同士で語り合ってほしいと思います。ここでもコミュニケーションが重要な役割を果たします。2000年に刊行された50周年史「スチールセンター50年のあゆみ」を私は折に触れ目を通しています。是非多くの社員に読んでもらいたいと思います。そして、私たちは未来の後輩に何を残し、何を伝えていくべきかを一緒に語り合い、考えていきましょう。そこには、新たなことへの挑戦が必ずあるはずです。失敗を恐れず、コミュニケーションとチームワークで前に進んでいきましょう。それこそが、当社としての「ありたい姿」そのものだと考えます。
 
 最後になりますが、皆さんご自身ならびにご家族の今年一年のご多幸を心よりお祈りいたします。
 
ご安全に。
代表取締役社長 羽鳥 歩